5/21(月) 日本経済新聞全国版地域総合面にてアマビズも登場!

5/21(月) 日本経済新聞全国版地方面にてアマビズも登場! https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30718060Y8A510C1ML0000/ 静岡・富士市発「エフビズ」、広がる中小助っ人 地域総合2018/5/21 0:30日本経済新聞 電子版  「〇〇ビズ」と呼ばれる中小企業の支援拠点が全国に広がっている。モデルは10年前に設立され成果を上げる静岡県富士市産業支援センターf―Biz(エフビズ)だ。公募した人材が売り上げ拡大や販路開拓などの相談に無料で応じ、経営者らに寄り添いながら改革に取り組む。設置する自治体は地元企業の経営力の底上げによる経済再生に期待を込める。  山形市などは12月に、「山形市売上増進支援センターY―biz(ワイビズ)」を開く。エフビズ型拠点は東北地方で初めてで、県庁所在地では全国初。主導した佐藤孝弘市長は「企業がお金をかけず事業にチャレンジできるようアドバイスをする、今までなかった手法」と期待する。  センター長とプロジェクトマネージャーを募集し、書面審査を経て6月末の面接で選ぶ。待遇は年収1200万円だが、1年契約で結果を問う。市は2018年度予算に4千万円の運営費を計上し、19年度以降も同程度をかける。先行拠点の多くはセンター長のみを公募するが、「2人体制で多くの企業の相談に対応したい」(市雇用創出課)という。  エフビズ型支援は経営者自身も気付かぬ価値を経営資源から導く手法が真骨頂。機械のホコリを静電気で除く技術を持つ静岡県の会社が、助言から「ほこりんぼう!」として家庭の掃除用品を売り出しヒットした例は典型だ。「提案のクオリティーが他とは違う」。ノウハウの伝道師であるエフビズの小出宗昭センター長は力を込める。  そうしたモデルを「釧路でも」と意気込むのは北海道釧路市が8月に設ける「釧路市ビジネスサポートセンター k―Biz(ケービズ)」のセンター長に就いた澄川誠治氏だ。リクルート住まいカンパニー(東京・港)社員だったが、ネットを生かした営業手腕などを買われ、山形と同額の年収で110人の公募者から選ばれた。  エフビズ型拠点は道内初。釧路市は基幹産業だった製紙や水産加工、石炭の不振に人口減が追い打ちをかけ、経済が停滞する。市産業振興部の担当者は「行政の中小支援は資金繰りなど環境整備が中心。個別企業の課題解決に踏み込むことが難しかった」と明かす。  澄川氏は市が今後の成長を見込む観光・小売業などで、「相談に訪れる経営者の満足度を高め、(事業者の)リピーターを増やすお手伝いをしたい」と語る。地元からも「画一的になりがちな中小企業の支援に風穴を」(道中小企業家同友会くしろ支部の森川浩一氏)との声が上がる。  広島県福山市は「福山ビジネスサポートセンター(フクビズ)」を16年12月に開設し、初年度の相談件数が全国一の1760件だった。もやし製造販売の中島商店(福山市)は相談を機に安値脱却のため進めた鮮度を売り物にした高付加価値戦略が奏功し、17年11月に工場を新設。3カ月で売り上げが倍増した。  相談は4月が月間最高の約230件とうなぎ登り。数週間先まで予約が一杯で、相談要員の増員を続ける。4月から起業予備軍をフクビズが支援し、広島銀行が融資する制度を立ち上げた。「すでに相談が5件で、1件は実現目前」(高村亨センター長)。フクビズが入る商業ビルの一角を物販などに安く貸す「チャレンジャーズマルシェ」も2月に始めた。  創業を応援する先輩起業家のチームも近く設ける。「何とかしたいとやってくる事業者が元気になるのを見るのは喜び」(高村氏)という情熱が、悩める経営者らを引き寄せる。 熊本県の天草市起業創業・中小企業支援センター「アマビズ」は開設から3年間で100件近い新規創業を生み出した 画像の拡大 熊本県の天草市起業創業・中小企業支援センター「アマビズ」は開設から3年間で100件近い新規創業を生み出した  九州でも7月に熊本県人吉市で発足する「人吉しごとサポートセンター(ヒットビズ)」など開設が相次ぐ。火付け役の熊本の「天草市起業創業・中小企業支援センター(アマビズ)」は開設から3年で4445件の相談があり、100件近い新規創業を生んだ。  アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)勤務などの経験を持つ内山隆センター長は「できることを一緒に見つけることを心がけている。無料でできるホームページの活用などで地元民宿の宿泊者数が3倍に増えるなど、成果が上がれば、事業者の士気も上がる」と語る。  18日には九州のエフビズ型拠点のセンター長らがアマビズに会し、それぞれが抱える案件の解決策について意見を交わした。8月には全国の拠点がエフビズに集結する初の「ビズ・サミット」が開かれる予定で、拠点同士の連携も強めていく。 ■地域密着・機動力強み  中小企業からの経営相談は主に商工団体が担ってきたが、中小企業庁は体制強化を狙い2014年から各都道府県に「よろず支援拠点」の設置を進めた。17年度の全国の相談件数は前年度比6%増の20万件強と着実に伸びている。エフビズ型拠点と同様に無料だが、コーディネーターと呼ばれる相談員が兼業など運営手法が異なる。  よろず支援拠点は県庁所在地など主要都市が中心のため、「利用するには遠いとの声もあった」(熊本県人吉市商工振興課)。相談者がネット通販強化を望んでも、具体的なホームページ作成者を直接紹介できないなど、国の拠点として制約もあるという。より地域に密着し、機動力のある支援への要望がエフビズモデル拡大の背景にある。  エフビズは静岡銀行の行員だった小出宗昭氏が創業支援機関への出向経験などを生かして08年に立ち上げて10年。現在も年間4千件以上の相談があり、そのうち7割が増収につながっているという。エフビズ型支援のカギを握るのがセンター長などの人材だ。  中小向け経営相談で、相談員は中小企業診断士などの資格が重視される傾向が強い。一方、商品の魅力を引き出すコンセプト作りなどにじっくり付き合うエフビズモデルは実力本位。人材紹介会社などを通じて営業の最前線で活躍してきた人材を公募し、「ピカイチの一人」(小出氏)を選んでエフビズなどでの研修を経て各地に送り出す。  センター長らは各自治体の首長の報酬に匹敵する高給で厚遇するが、1年の契約期間ごとに相談件数や相談者の売上高の伸び、販路拡大件数などが評価にさらされる。自らも助っ人として結果を問われるシビアさが、苦境を打開したい経営者の相談を呼び込む原動力になっている。 (増渕稔、浅山章、白山雅弘、安芸悟)

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